睡眠外来では、一晩眠って「スッキリ」するか、昨日の晩に悩んでいたことが
まだ頭に残っているかが、良い睡眠がとれるようになったかの判断材料になります。
良い睡眠を実感するのは、朝起きたときのコンディションで。
大きくは、頭がスッキリしたという人と、体が軽くなったという人がいます。
自分がどちらで良い睡眠を判断しているかを振り返って、
その判断基準が満たされた日を数えていくと、その日が増えてきていれば、睡眠が改善しているということ。
【脳が眠る理由は】
そんな「眠ると頭がスッキリする感じ」に科学的根拠が。
睡眠中のsharp wave ripple(SWR)という脳波が
睡眠中の海馬ニューロン間のつながりを弱めることが明らかに。
しかも記憶に関連しないニューロンの活動だけを弱める。
つまり、脳は必要な記憶を選別して空き容量をつくっていると考えられます。
さらにSWRを阻害すると、充分眠っていても睡眠不足状態になった。
これは、患者さんが眠ってもまだ悩み続けているという現象の裏付けになります。
ニューロンの活動は、とかく活発になることばかりが良いことのように考えられがちですが、
活動を抑制することがなければ、様々な経験から脳が成長していくことはあり得ない。
脳の活動が明らかになるほど、やみくもに活動させるのが脳にとって良いことではないと明らかになってきます。
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