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スタッフコラム

生きづらい社会での心のメンテナンス

本当に多様な価値がある社会なのか

現代社会はゆとりのない、生きづらいものになってしまっており、先進国では概ね3人に1人が心の問題で十分に自分の能力を発揮できない状態に陥ってしまっていると言われています。

今の社会は多様な価値観があるように見えて、実は多くの人が、本音を言えば『高学歴を得て専門的な職業に就き、高収入を得る』という価値観に縛られてしまっているように思います。

その結果、多くの人がゆとりをなくしています。

日本は健康寿命が長いのに対し、幸福度ランキングが世界的に低位です。経済が伸びず、国民負担が大きくなるため、将来に希望が持てない人も増え続けています。

生きづらさを感じている人とあまり感じていない人の理由をみると、同じ現象のプラスの面とマイナスの面のどちらに意識が向くかの違いであることが分かってきます。

生きづらさを感じる人の特徴

人類の歴史を振り返ってみれば、『生きることすら困難な時代』が長く、『平等な授業が受けられる』ようになってからわずかの年数しかたっていません。

人間の欲は、自分が持っていないものに対して発動されるので、完全に欲が満たされて満足することはありません。そのように考えれば、今が生きづらいのであれば、少しでも楽に生きるためにどう知恵を活かしていけば良いだろうかかということになります。

このように、自分を取り巻く様々なストレスにどう楽に対応していけるかを知り、どのように自分を変えていけばよいのかの助言を得ることが、カウンセリングや精神療法になります。

生きづらいと感じる人の特徴には、

空気を読みすぎる、

周りに合わせすぎる人、

自己犠牲が当たり前の我慢強い人、

白黒はっきりさせたい人、

完璧主義者、

自己評価が低い人、

ネガティブ思考の人、

些細なことでも不安になる繊細な人、

共感力が抜群で感受性が高い人、

真面目で倫理観・正義感が強すぎる人、

なかなか心を開けない人、

疑り深い人などがあります。

お読みいただいておわかりのとおり、特徴はさまざまですが、生きづらさを感じて、自分は不幸だ、自分はもうだめだと悲観的な思考に支配されてしまうのは、結局、自分の頭の中だけで考え続けて、他の視点から自分をみることを忘れてしまうのです。

たとえば、なぜ自分はこんなに他人に気をつかうのか、自分で自分が嫌になるとしたら、視点を変えれば、自分が何も気をつかわないで済む状況は、周囲に自分への気遣いを押し付けていることになります。生きづらい世の中で心のメンテナンスをしてゆくことは簡単ではありませんが、あえて視点を変えてみること、時に、善悪ではなく損得の軸でも考えてみることも時に大切です。

また、人は感情に支配されると、『間違ってもいいから白黒をつけたい』と思い詰めてしまいがちです。そんな感情に支配されたら、あえて中庸に、解決せずに、曖昧なままにしておくことも大切なことです。

心理士 星野

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