株式会社MD.ネット

グローバルIQ

海外赴任前に、
異文化や海外事業への適応力を測定
10年に及ぶ研究事績をもとに、精神医学的エビデンスをベースに設計。
海外巡回などの事象も重ね合わせた新しいタイプの適応力測定検。

駐在中止を最終判断

赴任予定のAさんを駐在中止と決定した理由は?

経緯

化学系A社は上海、北京、深セン、香港、ベトナム、シンガポール、ジャカルタに駐在事務所がある。

ほぼ4年周期で駐在員を交代させ、増員をさせながら、グローバル人材を増加させている。今後はアジアを中心に拠点を拡大していく考えだ。3年前から要員選抜のために、従来の選考方法にグローバルIQ(GIQ)を加えた。100人を対象に実施し、そこからから約30人の駐在予定者を抽出。最終確認としてMDのドクターが最終面談を実施している。

今年もフロー通り最終候補者が選ばれ、定期的に面談が行われている。面談終了後、担当ドクターから所見をもらうこと
になっており、今日も担当者立花のもとにドクターから面談後の結果について電話が入った。

「立花さん、今日面談した山中さんですが、駐在は検討したほうがいいと思うんです。」意外な回答が返ってきた。

赴任予定先からの強い要請

山中を選抜したのは、赴任先候補地ベトナムの事業所長岡田からの強い要請だった。岡田と山中は大学院の研究室が同じで先輩後輩という間柄だ。岡田は2年前から赴任しており、赴任直後から、立花に「山中を送ってほしい」と再三要請していた。

山中の結果だが、海外勤務適性は決して高いわけではなかった。異文化適応力はやや低いと評価された。海外業務遂力は標準。冷静に判断すれば、海外勤務に適しているタイプでないことを立花は十分承知している。しかし、人材豊富とはいえない我が社の事情。ここ数年、山中のような社員も数人駐在させている。

結果が出ているかと聞かれれば微妙だが、今回は現地責任者からのたっての要請だ。山中にとっても安心材料だろうと考えた。また、ローカルスタッフが30人と他事業所に比べて少ない。管理面でも楽だろう。人事としてはGOサインを出そうとしていた。

グローバルコミュニケーション比較

業務遂行力

海外では日本以上に関係性が重要

「面談で確認しての判断として、山中さんは岡田さんの下につかないほうが賢明でしょう。山中さんにとって岡田さんは苦手なタイプのようです。現に、不安緊張状態が高まっていました。国内からも岡田さんをサポートできる業務のようですし、岡田さんの下には、やな中さんよりも若く、適応力が高いタイプのほうが仕事がスムースにいくでしょう。」

ドクターは岡田とも前年面談している。定期的にフォローもされており、岡田の性格は十分より詳しく把握している。

「岡田さんはリーダーシップが高く面倒見がいいうえに、海外勤務能力は非常に高い。少し感情のアップダウンが大きい面がある。立花さんは職人気質で、内向的、安定した環境の中で集中した業務で力を発揮される方です。対照的でそれがいい場合もありますが、補完関係にはならないでしょう。先輩後輩という間柄も学生時代の短期間の関係であって、山中さんとの根本的なコミュニケーションが長く良好だったというわけではありませんしね。この事業所は岡田さんと山中さんのお二人ですから、山中さんに精神的な負担がかかる可能性が非常に高い。日本人駐在員が少ない地域ですから、できれば別の方を駐在をさせるほうが、業務という面からも最終的には賢明かと思います。」

グローバルIQを分析したスタッフからも同様の分析コメントが返っていた。
確かに分析とドクターの見解通りだろう。GIQの結果はもちろん、何より、ドクターの指摘は先行適応が低いということだ。

「今回、ベトナムには別の人員を送りたいと思います」立花は、個人情報等も配慮して、電話で岡田に別の人員を送りたい意向と理由を伝えた。今後の拠点が置かれた役割に山中の勤務力が適合していなかったこと、2名体制における両者のコミュニケーションについての懸念。立花が用意した人員についての特徴。ドクターのアドバイスもあって、岡田に似たタイプを選抜した。技術面では山中に少し不足する面もあるが、本人は自分の研究を海外で試したいと意欲的だ。

岡田は立花の説明に深い理解を示した。「わかったよ。山中が来れば楽な面もあるが、結果を出すことが目的だ。実際、一緒に仕事してみなければわからないからな。」

今回の事例

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