ここ数ヶ月は各事業所で異動もあり、新しい人間関係が始まった方が多いのではないでしょうか。前の社長とはウマがあったんだけど今回はどうかな、今度異動してきたAは知らないなあ、どんなタイプかな、とか。関係性や相性は本能的なものですからホント悩ましいものですね。
今回は、「関係性を早く深く築く人=コミュケーション力の高い人」の特徴を紹介しながら、新しい人間関係を築く時のポイントをお話しします。
どんな人も必ず弱点があります。海外事業に限らず、環境が変われば、知らず知らずのうちにフォローしてくれていた人たちはいませんから、当然「弱み」の方が目立ちます。自分の「強み」が通用せずに落胆する場面も多いでしょう。
こうした時、私たちにできることは、
●自分の弱みから目を背けずに正しく自覚すること
●その弱みを「増幅」させないような行動をとること
この2つです。克服するのではなく、自覚と意識です。弱みというのは「人に補ってもらう」もの、ですから、増幅させない行動とは人に助けてもらうことです。どんな人も一人で完結できる人はいません。ここはひとつ勇気を出して弱みを開示し、その助けを求めましょう。成長とは弱みの開示でもあります。
仕事の場面で大事なことは、ミッションを達成することで、自分で自分の弱みを克服することではありません。達成のために「ここが苦手なんで、フォロー頼みます」「ここがどうもわからないので、説明もらえますか」とフォローをもらいましょう。コミュケーション力の高い人はこの開示と支援の要請に躊躇がありません。自己開示は相手に「信用」を与えます。会話表現が上手でない方は、「メール」でもいいでしょうね。
何か問題が起こった時、誰もが精神的に不安な気持ちになります。この場面で、「マジっ」とか「えー」のような感嘆詩、感単語はグッと飲み込み、
(1)相槌をうって、
(2)「状況への理解を示す言葉を発す(そうか、わかった)」
という理性的な行動を意識しましょう。フレンドリーなタイプの方は感嘆詞が多く、クールなタイプの人は相槌だけだったり表情が乏しい、という傾向があります。(1)アクションと(2)ワードをセットで。これもコミュニケーション力の高い人に共通した行動です。周りの人は、目と耳から入った情報で脳が落ち着き、「この人なら大丈夫だろう」という「安心感」を持つのです。
「なんでこんなことしたの?」と親から言われたことがありませんか。そのためか、無意識に「なんでなんで」が口癖になっていませんか。人は「なんで」という原因を追求されることが本能的にあまり好きではありません。
これが続くと、言われた方は精神的に追い込まれるような感覚を覚えがちです。
もちろん、望ましくない事象には必ず原因があるものです。原因分析はすべての改善、進化、発見にも重要なプロセスです。しかし、原因というのは1つだけとは限りません。複数の原因が相互作用して発生することも多々あります。また、原因には複数の要因が取り巻いていることもあります。そのため、原因
というのは実際とても見つけにくい側面もあるのです。追い込まれているうちに、冷静さを欠き、要因だけに囚われて真因を見落とすことが結構あります。違う方向へ進み、犯人探しになることもあります。
大事なことは、「なんのためか」という目的と未来のあるべき姿に向けての「なぜなぜ」であるべきです。「こういう風にしたいよね」→「今回こうなっているが」→「どうすればよかったのか」という建設的で目的志向的なロジカルツリーで情報を整理してください。言葉、表情、雰囲気で追い込まないよう
に注意しましょう。
ロジカルで理性的で目的思考のコミュニケーションを主導する人の周りでは、もともとそうでなかった人たちも、主体的自立的で支援的で積極的な行動を取るようになります。
「この人と一緒に働きたい」という信頼感はチームワークの核です。問題が発生した時に取った行動が無意識のうちにその人の印象を決め関係性を変え、チームの雰囲気を変える。
ピンチはチャンスでもあります。
限りある人生の一瞬を、一緒に過ごす縁をもらった人たちと、よい関係で、よい仕事、良い成果を出し、よい思い出を残したいものです。参考にしていただけることがあれば嬉しいです。
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