最近、アジア各国で日本人シェフが人気です。
バンコクに出張した際、東京でミシュラン取得している2つのレストランがコラボしたお店に行きました。
カウンター8席のレストラン。日本人はシェフだけ、他のスタッフはタイ人でした。
この日のために数ヶ月前から予約し、着ていく洋服も決めて、仕事を終えてシャワーあびて、久しぶりに気合をいれてディナーへいきました。
日本の美味しい食材をタイ風にアレンジされて、
日本では絶対にない食べられないInteresting!なお味の数々。
しかし、「美味しかった~!」という感動がないのです。
何を食べたか思い出せないくらい。
味というのは不思議なもので、
誰と、どこで、何を食べたか、の3要素で出来上がっていると思います。
特に大事なのが「誰=人」と。
一緒に食べる人はもちろんのこと、
お店のスタッフの雰囲気も味を大きく左右します。
「芸能人格付けチェック」という番組で、
目隠ししてどっちの素材が高級かを宛てるゲームがあります。
まさにあの通りで、「素材の味」って、実際のところ、ほんと、良くわからない微妙なものです。
人=コミュニケーションは最高の味付けです。
シェフは、多分、バンコク店を任されたほどですから腕もいいのですが、コミュニケーションが苦手な様子でした。
途中、イギリス人ファミリー4人が来たのですが、シェフは積極的にコミュニケーションせずに後ろに下がってしまい、ひたすらせっせと料理を作ることに没頭していました。
英ファミリーが「これはどういう素材か?これはどういう味付けか?」と質問しても、シェフはうつむいてしまうのです。サービススタッフはまだ日本料理に詳しくないので、適確な回答ができずに困っていました。
みるに見かねて私がシェフの代わりにつたない英語で説明をしました。
飲食に限らず、どの分野でも、成果にこだわりすぎて、コミュニケーションという大事なスキルを忘れている方が多いことを感じる今日この頃です。
赴任者で「言葉は全くダメ、自信がない」という方がいらしたら(ほどんどそうだと思います、私もそう)、もちろん語学力、仕事の専門性は大事だけど、それ以上にコミュニケーション力が海外では特に大事であることを伝えたいです。
コミュニケーション力はスキルを超える。
言葉は自信がないが、コミュニケーション力には自信があるというのなら、「いってらっしゃい!やってらっしゃい!」、必ず赴任のミッションは達成できますと太鼓判を押したいです。
いやいやそんな甘くない、とおっしゃる方がいるとは思いますが、仕事の成果というのはその時の状況、運もあるので、力があれば必ず達成できるというものではありません。
また、赴任の時点での言語力はある程度織り込み済みで会社が選定しているわけですから、語学が足りなければ通訳をつけるか、それが無理ならGoogle先生に頼って全力尽くすか、いずれにせよ選択肢はどちらかです。言葉の問題はお金をかけて何とか解決はできますが、関係性はお金をかけても解決できない、補うことができません。
良い関係性、great vibes があれば、びっくりするくらい事業へプラス効果が出ます。
逆に関係が悪くて成果が出たとしても、後々必ず事業には悪影響が及びますし、その赴任者の後任者は立て直しに相当な時間と労力を使い苦労します。
「コミュニケーション」をおろそかにしてはいけません。
海外に赴任すると、
経験したことがない仕事、
日本で赴任前に説明を受けていなかった仕事
を突然任されます。
聞いてないよ~!
わからないよ~!
マジかよ~!
です。
そこで頼りになるのは現地スタッフです。あるいは現地のお客様、現地にいる様々な関係者の方々です。周りの人との良い関係が土台にあって、はじめて仕事ができるのです。
MBLだって、活躍している選手はみんなコミュニケーション力が高いですよね。人に好かれないとそもそもマウンドに立てません。オーナー・監督、チームメンバー、バックオフィスの人たち。関わる人との関係性が活躍できるかどうかを分けるのです。
力を発揮するということだけにフォーカスすると、結局のところ発揮できずに終わってしまいます。
仲間と良い関係を築きながら達成に向かう。
そんなふうに意識を変えてほしいです。
人生の大事な一時を共に過ごす、縁あって出会う人たちです。どうか相手を大切に思う気持ちを忘れずにいてください。
人を感動させることは、色々なチャンスとご縁を引き寄せます。
コミュニケーション力をゴシゴシ磨き続けよう!
そんなことを、バンコクで改めて実感し、特にこれから海外を目指す若い世代のみなさんに伝えたいと思ったのでした。
渡辺
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